石川 珠洲へ派遣の日本赤十字社の医療救護班“衛生面が心配”

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市で支援活動を行った日本赤十字社埼玉県支部の医療救護班が10日夜帰還し、断水が続き衛生面が懸念される厳しい避難生活の状況を語りました。

埼玉県小川町にある小川赤十字病院の医師や看護師ら10人の医療救護班は、今月7日から3日間石川県珠洲市に入り、市内の駐車場にテントを張って寝泊まりしながら6か所の避難所で巡回診療などにあたりました。
10日夜、病院に戻った医療班は取材に応じ、このうち300人ほどが避難する小学校では、断水のため顔や手が洗えない状況が続いていて、足の傷口が洗えずに化膿した子どもや咳やのどの痛みを訴えるお年寄りを診察したということです。
この小学校では足元からの寒さを防ぐため靴を履いて過ごす人も多く、衛生面が心配されたということです。
また、携帯電話が通じなくなり電気も止まっている山あいの住宅に自衛隊の車両で診療に向かい、暮らしているお年寄りの健康状態などを確認しました。
医療救護班のリーダーの吉田裕医師は「環境面・衛生面の状況から感染症の流行を心配しています。まだまだ医療支援が届いていないところも多く、誰の助けもなく生活してこられたのだと実感しました。被災者がふつうの生活に戻れるように整えることが課題だ」と話していました。