さいたま市 幼稚園活用や送迎保育ステーションで子育て支援

保育施設の利用者の増加が全国で最も多くなったさいたま市では、待機児童を増やさないよう既存の幼稚園の活用を進めています。

さいたま市では、人口の増加にともなって保育施設の利用者が2万8769人と、去年と比べて1271人増加していて(ことし4月1日時点)全国でも最も多くなっています。
しかし、さいたま市では土地を確保し新たな保育施設を建てるのは難しいとして、夕方まで預かり保育を行う幼稚園を増やすことで保育の受け皿とする取り組みを進めています。
このうちJR武蔵浦和駅からおよそ2キロ離れた浦和つくし幼稚園では、共働きの家庭の子どもが通えるよう、13年前から始めた預かり保育の時間をここ数年でさらに延長しました。
今では380人あまりの園児のうち3分の1近くが利用しています。
この幼稚園ではことし4月からは最長で午後6時45分までの預かり保育にも対応していて、午後から時差出勤する専属の職員も配置しています。
また、さいたま市では駅から離れた幼稚園でも通えるように駅の近くに複数の幼稚園バスが立ち寄る「送迎保育ステーション」を設置しました。
「送迎保育ステーション」では、朝、保護者が園児を送り届け、幼稚園バスの送迎までの時間と、夕方、幼稚園が終わって保護者が迎えに来るまでの間保育士が子どもたちを預かる仕組みになっています。
ことし4月までに浦和区と大宮区それに南区の3か所に整備が進みました。
こうした取り組みから、さいたま市では長時間の預かり保育を実施する幼稚園の数は、令和元年度は市内に17と、全体の幼稚園の16%にとどまりましたが、今年度は48と30ポイント増えて46.6%となっています。
この仕組みで3歳の子どもを幼稚園に通わせている30代の父親は、「駅から遠い幼稚園は通えなかったが預かり保育と送迎ステーションがあれば通わせられます。本当に助かっている」と話していました。
さいたま市幼児・放課後児童課の浅野泰弘課長補佐は「近年は共働きの人が増えてきていますし都内に働きに出る人のニーズが集まる便利なエリアには簡単には保育施設を確保できない事情もあります。幼稚園も保育の受け皿になるよう取り組みを進めたい」話しています。