埼玉 川口 郵便局に男が押し入り現金奪い逃走 男女2人けが
16日午後、埼玉県川口市の郵便局に刃物のようなものを持った男が押し入り、郵便局員の男女2人を切りつけてけがをさせたうえ現金を奪って逃げました。
警察は強盗傷害事件として逃げた男の行方を捜査しています。
16日午後1時半ごろ、埼玉県川口市の「川口並木郵便局」から「強盗です。刃物を持った男が侵入し、職員が切られた」と警察に通報がありました。
警察によりますと押し入った男は「金を出せ」などと窓口にいた20代の女性局員を脅し、その後、止めようとした郵便局員の男女2人を切りつけたということです。
そして、郵便局側が用意した現金およそ5万円を奪うと北西方向に歩いて逃げました。
警察によりますと40代の男性局員は頭などを切られて大けがしたほか30代の女性局員も手に切り傷を負いました。
当時、郵便局には複数の客もいましたがけがはありませんでした。
警察によりますと、現場から逃走した男は年齢が30代くらいで身長が1メートル65センチから70センチほど、黒のジャンパーに茶色っぽい長ズボンそれに白のスニーカーと白いマスクを身に付けていたということです。
警察は強盗傷害事件として逃げた男の行方を追うとともに付近の住民に玄関や窓に鍵をかけるなど、注意するよう呼びかけています。
現場はJR西川口駅から北に200メートルほど離れた、飲食店や商店などが入るビルが建ち並ぶ地域です
現場の郵便局から10メートルほど離れた飲食店に勤める男性は、午後1時半ごろ店の中で仕込み作業をしていたところ郵便局の方向から『きゃー』という叫び声が聞こえてきたということです。
男性が外に出ると、郵便局の建物から刃物をもった男が飛び出してきて、蕨市の方向に走って逃げていったのを目撃し、この男性はあわてて110番したということです。
男性は「犯人はナイフのような刃物をもち、カーキ色の服を着ていたようだった。アジア系の外国人のように見えた」と話していました。
郵便局の向かいにある質店の店主は「外出先から帰ってきた際、郵便局には警察や救急隊がいて、局員とみられる男性1人が救急搬送されていた。男性は頭に切られたような傷があり、意識がないように見えた」と話していました。
現場近くで店を営む70代の男性は「郵便局員が現場に到着した警察官に対して『男が蕨駅の方向に逃げた』と説明すると、警察官が走って向かっていました。郵便局からは顔から血を流していた男性が救急車で運ばれていきました。物騒だなと思います。早く捕まってほしいです」と話していました。
事件が起きた直後に現場にいたという40代の女性は「13時50分ごろ、救急車やパトカーの音などで異変に気づいて郵便局の方に行ったら、現場を囲うように一般の方や警察官がいました。男性が郵便局のなかからストレッチャーに乗せられ、お腹のあたりに手を置き、目を閉じたまま運ばれているような感じでした。ふだんからこの郵便局を利用していて、いつも気持ちの良い対応をしてくれていました。どうか、誰も大事に至らないでほしいです」と話していました。
今回の強盗事件を受け、埼玉県川口市と隣接する蕨市の教育委員会は、すべての小中学校に事件の発生を知らせたうえで、現場に近い小学校では、教員が引率して集団下校しているということです。
また、メールで保護者に対し、下校後も子どもたちにはなるべく外出させないよう呼びかけているほか、それぞれの市の職員が車で巡回しているということです。
日本郵便関東支社によりますと、この事件で現金およそ5万円が奪われ、日本郵便の社員の男女2人が手を切られるなどのけがをしましたが、いずれも命に別状はないということです。