国特別史跡の「二子山古墳」2か所で穴が掘られる 行田
国の特別史跡に指定されている埼玉県行田市の「埼玉古墳群」にある「二子山古墳」で2か所で穴が掘られているのが見つかり、埼玉県教育局は何者かが立ち入り禁止とされている古墳に入り、穴を掘ったとみて、文化財保護法違反の疑いで警察に被害届を提出する方針です。
「二子山古墳」は、6世紀前半に造られた前方後円墳で、この地域を治めていた支配者層の墓とみられています。
「二子山古墳」など9基の古墳がある「埼玉古墳群」は、3年前に国の特別史跡に指定されています。
県教育局によりますと、26日、古墳群を管理している博物館の学芸員が現状を確認するため古墳に入ったところ、後円部の頂上付近の2か所で、何者かに掘られたとみられる穴がみつかったということです。穴は縦1.2メートル、横60センチ、深さ1.9メートルの長方形と直径90センチ、深さ2.5メートルの円形のもので、掘られた場所付近の地下には、埋葬された人が入れられた石室があるとみられています。
古墳は、周囲の生け垣に沿って柵をつけて立ち入り禁止としていました。
県教育局は今後、文化財保護法違反の疑いで警察に被害届を提出するとともに、復旧の方法などについて文化庁と協議することにしています。
県教育局は、「非常に残念で許されない行為だ。今後、古墳を定期的に巡回するような体制づくりをしていきたい」とコメントしています。