埼玉 飯能 3人殺害事件 近くに住む40歳の容疑者を逮捕
25日、埼玉県飯能市の住宅の敷地で男女3人が殺害されているのが見つかった事件で警察は、25日夜遅く、現場近くに住む40歳の容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕しました。
警察によりますと「言いたくありません」と供述を拒んでいるということです。
逮捕されたのは現場近くの飯能市美杉台に住む無職、斎藤淳容疑者(40)です。
25日午前7時すぎ、飯能市美杉台の住宅で「口論をしている」といった通報が複数寄せられ、警察が駆けつけたところ、敷地内で男性1人と女性2人の3人が殺害されているのが見つかりました。
警察によりますと、3人はこの家に住む60代の夫婦、それに別の場所に暮らす30代の娘とみられ、いずれも頭や首など上半身に鈍器で殴られたようなあとがあったということです。
現場からは「ハンマーのようなものをもった男が逃走している」という目撃情報が寄せられ、警察が行方を追っていましたが、25日午後10時ごろ、現場から数十メートルほどのところにある斎藤容疑者の自宅で身柄を確保し、3人のうち男性に対する殺人未遂の疑いで逮捕しました。
警察によりますと「言いたくありません」と供述を拒んでいるということです。
捜査関係者によりますと、容疑者は以前、現場の住宅で車が傷つけられる事件が起きた際に警察に器物損壊の疑いで逮捕され、その後、不起訴になっていたということです。
警察は今回の事件との関連についても調べています。
警察は容疑者の逮捕容疑について当初、殺人の容疑と説明していましたが、正しくは殺人未遂の容疑だったと訂正しました。
事件を受けて、警察は目撃情報や付近の防犯カメラの映像などをもとに逃げた男の行方を捜査していました。
捜査関係者によりますと、その後の捜査で、過去に現場の住宅で車が傷つけられる事件が起きた際に警察に器物損壊の疑いで逮捕され、その後、不起訴になっていた斎藤容疑者が事件に関わった疑いがあることがわかったということです。
警察は逮捕状などを用意したうえで、事件発覚からおよそ15時間後の25日午後10時ごろ、容疑者の自宅に入りました。
室内にいた容疑者は抵抗する場面もありましたが、捜査員に取り押さえられたということです。
その後、飯能警察署に運ばれ、死亡した3人のうち男性に対する殺人未遂の疑いで逮捕されました。
調べに対して、容疑者は「言いたくありません」と供述を拒んでいるということです。
容疑者は1人暮らしだったということで、警察は詳しいいきさつを調べています。
事件直後に容疑者とみられる男と遭遇したという、近くに住む68歳の男性は「妻が『助けて』という女性の声を聞いたというので、様子を見るため自宅の外に出たら、被害者の家の脇にある狭い通路から男が出てきた。『お前か』と聞くと、男は引き返していった。表情は平然としていて、息を荒らげる様子はなく、引き返すときも走らず戻っていった」と証言しました。
また、容疑者については「近くに住んでいても顔を見たことがなく、まったく知らなかった」と話していました。
容疑者が逮捕されたことについて、事件が起きた現場の近くに住む50代の男性は「早い段階で容疑者が逮捕され安堵しました」と話していました。
また、40代の会社員の男性は「きのうは事件があったので外に出ず、鍵をしめて家の中にいましたが不安でした。何があったのか知りたいです」と話していました。
地域の自治会で、去年、現場とは別の班で班長を務めていたという70代の男性によりますと、今回の事件が起きた住宅では去年8月に車を傷つけられる被害があったということです。
自治会では住民に注意を呼びかけるとともに、警察の捜査に協力したり防犯カメラの設置について検討したりしたということです。
男性は「去年の事件の際、警察に報告すると、警察も警備を強化するとの話でした。また、町内でも気をつけるように、不審な人物がいれば報告するようにとのことでしたが、車の事件は1件のみで、その後はなかったようです。当時も恨みによる事件かと想像していたが、それが今回の事件につながったのかもしれないと思う。自治会で防犯カメラを設置するか検討したのですが、管理や財源の問題で難しく、なかなか進まなかったのが実情でした」と話していました。