埼玉 越生町「10名山」決め地域おこし 今月ハイキング大会
「ハイキングのまち」として地域おこしに力を入れている埼玉県越生町で、新型コロナの影響で減った登山者を呼び込もうと、地元の観光協会が人気投票で「10名山」を決めて今月ハイキング大会を開くことになりました。
埼玉県西部の越生町は、気軽に登ることができる山が多く6年前「ハイキングのまち」を宣言し、月ごとにおすすめのハイキングコースを設けて地域おこしを進めてきました。
町を訪れる人の数は順調に伸びていきましたが、新型コロナの感染が拡大して以降は登山者が大きく減ってしまいました。
こうした状況を打開しようと、地元の観光協会が「越生10名山」と銘打って「ハイキングのまち」をPRする新たな企画を打ち出しました。
発案したのは、事務局長の大沢昌文さん(64)で、「ハイキングのまち」というキャッチフレーズやPRの取り組みも当時、役場の職員だった大沢さんが考えました。
どの山を「10名山」にするかは人気投票で決めることにして、去年11月からことし4月にかけて広く投票を呼びかけました。
その結果、高さ30メートルのくすのきがシンボルの「上谷の大クス山」や、標高が東京スカイツリーと同じ634メートルで関東平野が一望できる「野末張見晴台」など、10の山や峠が選ばれました。
さらに、越生町の山並みが北アルプスに似ているという町民の声を受けて、「10名山」の一部を含む山々を「越生アルプス」と名付けました。
「越生10名山」が決まったことを記念して、今月20日にはハイキング大会を開くことになり、大沢さんたちはコースのマップづくりなど準備を進めています。
また、イベントにあわせて、「10名山」を1つずつデザインした木のプレートの記念品を用意しました。
パズルのピースをそろえる感覚で楽しんでほしいと、登るごとにその山のプレートが1枚もらえるしくみで、10枚が1つの枠に収まるよう工夫されています。
この記念品は、地元の木工業者に協力を呼びかけて端材を利用してつくったということで、環境にも配慮されています。
製作にあたった黒澤祐哉(39)さんは「いつも端材がもったいないなと思っていたので、形になって達成感があります。林業が盛んなことも知ってもらえたらうれしいです」と話していました。
大沢さんは「この大会を通じて『10名山』がもっともっと有名になればいいなと思いますし、好きな日にこの『10名山』に登ってもらい『越生町に来てよかった、また来よう』と思ってもらいたいです」と話していました。