カンボジア拠点の特殊詐欺事件で起訴の被告 改めて無罪を主張

カンボジアを拠点とする特殊詐欺事件に関わり、県内外の男女4人から現金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われている大阪市の無職の被告の裁判で、23日、被告人質問が行われ、被告は改めて無罪を主張しました。

大阪市淀川区の無職、伊藤宏樹被告(49)はカンボジアを拠点とした特殊詐欺事件に関わり、去年4月から5月にかけて、仲間と共謀の上、県内外の男女4人にうその外国為替の取り引きを持ちかけて、現金あわせて4000万円余りをだまし取ったとして、詐欺の罪に問われています。

佐賀地方裁判所で開かれた23日の裁判で被告人質問が行われ、被告はカンボジアに行った理由について「カンボジア旅行で知り合った女性を通じて日本語と英語と中国語の通訳の仕事を紹介された。国際的な仕事がしたかったので魅力的だと思った」と述べ、詐欺とは知らずに現地に行った経緯を説明しました。

その上で、現地で上司だった中国人から日本語の挨拶文や投資勧誘に関する文章を違和感のない日本語にするよう指示されていたとした上で、「詐欺ではないかと頭をよぎったこともあり、不安もあったがそうではないと思っていた。預けたパスポートを返してもらえず、何度も日本に帰りたいと言ったが、帰らせてもらえなかった」と当時の状況を明らかにしました。

その上で、「人をだましてお金をとろうと思う気持ちは全くありませんでした」と述べて、改めて無罪を主張しました。

次の裁判は来月18日で、検察の論告求刑などが行われ、結審する予定です。