カンボジア拠点の特殊詐欺事件 被告は無罪を主張

カンボジアを拠点とする特殊詐欺事件に関わり、県内外の男女あわせて4人から現金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われている大阪市の無職の被告の裁判で24日、証拠調べが行われ、この中で被告は初めて認否を明らかにし、「金銭をだまし取った気持ちはありません」と述べて、無罪を主張しました。

大阪市淀川区の無職、伊藤宏樹被告(49)は、カンボジアを拠点とした特殊詐欺事件に関わり、去年4月から5月にかけて、仲間と共謀のうえ、佐賀県や広島県などの男女4人にうその外国為替の取り引きを持ちかけて、現金あわせて4000万円余りをだまし取ったとして、詐欺の罪に問われています。

これまでの裁判で、被告は起訴された内容の認否を留保していましたが、24日の裁判で行われた証拠調べの冒頭で、裁判官から起訴内容について尋ねられた被告は、「金銭をだまし取った気持ちはありません」と述べ、無罪を主張しました。

このあと検察は、証拠調べの中で、SNSを通じて現金をだまし取るための手口が記された文書ファイルなどの証拠を示しました。

次の裁判は来月23日に開かれ、被告人質問などが行われる予定です。

カンボジアを拠点にした一連の特殊詐欺事件で、これまでにほかに日本人1人が起訴されています。