駐屯地周辺整備の排水対策施設用地貸与 住民監査請求を棄却

陸上自衛隊の輸送機オスプレイの佐賀空港への配備計画をめぐり、駐屯地周辺で整備される排水対策施設の用地を佐賀県が無償で国に貸与していることなどは不当だとして、県に対して費用を国に請求するよう求めていた住民監査請求について、県の監査委員は請求を棄却する決定をしました。

陸上自衛隊の輸送機オスプレイの配備計画では駐屯地からの排水がのりなどの漁業に影響を与えないよう佐賀空港の周辺で排水の対策施設を整備することになっていて、県は去年12月、防衛省に対し、県が保有するおよそ12ヘクタールの用地を無償で使用することを許可し、工事で発生した土砂も無償で使用されています。

これについて、ことし2月、佐賀市の市民団体のメンバーなどが県に対して土地の使用料と土砂の対価、あわせて8億9000万円近くを九州防衛局に請求するよう求める住民監査請求を行っていました。

19日通知された監査結果によりますと、県の監査委員は土地の使用を許可した佐賀空港の事務所長が排水施設を公益性の高い事業だと考えたのは不合理ではなく、土地使用料の減免は裁量権の範囲を逸脱しているとは言えないと指摘しました。

また、工事で発生した土砂についても県発注の工事では「他工事への流用を原則とする」という方針があり、有償での譲渡も義務づけられていないなどと指摘し、県民財産の管理を怠る不当な行為があったとは言えないとして請求を棄却する決定をしました。

市民団体の向井寛さんは「棄却は極めて不当だ。違法性については住民訴訟を起こしてたたかっていく」と話しています。