養殖のり今シーズン最後の入札会 販売枚数の日本一奪還ならず

県内で養殖されたのりの今シーズン最後の入札会が開かれ、販売枚数は9億8000万枚余りと兵庫県を1億枚以上下回り「日本一奪還」はなりませんでした。

今シーズン最後となる県内で養殖されたのりの入札会は、19日、福岡県柳川市で開かれ今月、収穫された合わせて160万枚余りののりが出品されました。

19日は、出品枚数が少ないことから福岡県や熊本県と合同で行われ、商社などの担当者およそ90人がのりを一枚一枚手に取って品質を確かめ、値段を付けていました。

県有明海漁協によりますと、佐賀県沖の養殖のりの今シーズン全体の販売枚数は9億8784万枚余りで、記録的不作となった昨シーズンよりは8000万枚ほど増えたということです。

それでも全国1位だった令和4年度と比べると40%以上落ち込んでいます。

一方で、販売額は全国的に品薄の状態が続いていることから高値が続き、のり1枚あたりの平均価格は22円59銭と、昨シーズンより4円11銭高く、全体の販売金額も223億1298万円あまりと、ここ3年のなかで最も高くなりました。

佐賀県沖の有明海では、昨シーズン、販売枚数・販売額の連続日本一の記録が19年で途切れ、今シーズンは日本一奪還を目指して生産が行われてきました。

漁連や漁協などでつくる全国漁連のり事業推進協議会によりますと、去年秋から今月15日までの販売枚数・販売額は、いずれも兵庫県が佐賀県を上回っていて、今シーズンの日本一奪還はなりませんでした。

佐賀県有明海漁協の深川辰已参事は「日本一を奪還しようと、生産者は一枚でも多くとるため頑張ってきたが、栄養塩不足などで去年に引き続きかなりの減作となった。のり養殖は自然に左右されるので、有明海の条件がよくなるよう取り組んでいく」と話していました。

また販売枚数・販売額で熊本県は全国3位、福岡県沖の有明海は全国4位でした。