日銀と県内経済界の代表などが意見を交わす会合 佐賀市

日銀と県内の経済界の代表などが意見を交わす会合が佐賀市で開かれ、日銀の野口旭審議委員は、賃金と物価の好循環を進める上で重要な企業の価格転嫁について、「タイムラグが大きいという事実がある」と述べて、中小企業が多い地方では進みにくい状況にあるという認識を示しました。

18日、佐賀市のホテルで開かれた日銀の金融経済懇談会には、日銀の野口審議委員のほか、県内の銀行の代表などが出席しました。

会議は非公開でしたが、出席者からは急激な金利上昇があった場合、多くの中小企業で収益の悪化につながりかねないため慎重に対応してほしいといった要望や、人手不足が深刻な中で賃上げに取り組まざるを得ないが、コストを価格転嫁するのが難しいといった意見が挙がったということです。

会議後の会見で、野口審議委員は「佐賀での経営者の方々の話を聞いてもなかなか実情としては厳しいという声が非常に多くあがってきた。それはやはり、いろいろな業種や業態ごとに、価格転嫁に対しては非常にタイムラグが大きいという事実がある」と述べて、中小企業が多い地方では価格転嫁が進みにくい状況にあるという認識を示しました。

その上で、今後について「地方経済まで十分に波及していないかも知れないが、下請け企業が価格転嫁したくても大企業に受け入れてもらえないという状況が官民含めた取り組みで少しずつ変わりつつある。一連の流れが浸透すれば状況は改善されると思う」と述べました。