運転手不足打開へ退職自衛官に期待 駐屯地で説明会

バスやトラックの運転手の不足が課題となるなか、吉野ヶ里町の自衛隊駐屯地では10日、退職を控えた自衛官に運輸業界への関心を持ってもらおうと、説明会が開かれました。

佐賀運輸支局や自衛隊佐賀地方協力本部などが吉野ヶ里町の陸上自衛隊目達原駐屯地で開いた説明会には、数年のうちに定年退職を迎える自衛官およそ30人が参加しました。

自衛官は任務で大型の車両を運転するため、多くが大型免許を取得しているほか、定年退職の時期は50代半ばと民間と比較しても早いのが特徴で、人手不足となっている運輸業界などから運転手の担い手として期待されています。

説明会ではバスや10トントラックの乗車体験も行われ、自衛官たちは運転席からの視界や車高の高さを確認していました。

また、車が曲がる際に、前輪より後輪が内側を通る「内輪差」も確かめていました。

ことし退職となる55歳の自衛官は「物流業界は退職前の再就職先のひとつにと考えている。今までの任務で培ってきたことが物流業界に生かせると思う」と話していました。

また、51歳の自衛官は「運転手になったという視点で、バスからの視界や内輪差などに注目して乗車した。第二の人生に向けてのよい勉強になった」と話していました。

佐賀運輸支局の牟田嘉伊座首席運輸企画専門官は「運送サービスの維持に必要な人員が集まらず、バスの減便や荷物が届かないといった影響が危惧される。即戦力になる自衛官に期待したい」と話していました。