佐賀大学が「白血病」の治療薬に関する研究成果を発表 

血液のがん「白血病」の治療薬に関する研究で、佐賀大学は、薬が効きづらくなったがん細胞の内部で特徴的な変化が起きている可能性があることがわかったと発表しました。
今後、新たな治療方法の確立につながると期待されています。

これは佐賀大学医学部の木村晋也教授らの研究グループが、29日、会見を開き、明らかにしました。

それによりますと、白血病の治療薬に関する研究で、「アザシチジン」という薬が効きづらくなるケースでは、がん細胞の内部で特徴的な変化が起きている可能性があることがわかったということです。

具体的には、がん細胞が、細胞の外から増殖に必要な材料を取り込まず、内部のアミノ酸から合成する仕組みが働いているとみられるとしています。

また、患者の血液では特殊な酵素が増えることもわかり、この酵素の発生を減らすと、がん細胞の増殖を抑える働きがあることも明らかになったということで、今後、新たな治療方法の確立につながると期待されています。

研究グループでは、九州や沖縄地方の高齢者に患者が集中しているとされる、「成人T細胞白血病」の研究を製薬会社とともに、7年前から進めています。

研究グループの渡邉達郎特任教授は「佐賀から新たな薬の開発に繋がればという思いで研究を進めたい」と話していました。