有明海ののり養殖 海水に含まれる栄養の不足で漁が遅れる事態

佐賀県沖の有明海ののり養殖は、海水に含まれる栄養の不足で、ほとんどの漁場でシーズン後半の漁が遅れる事態となっています。
漁協などは緊急の対策をとり、海の環境の改善を急ぐことにしています。

全国有数の養殖のりの産地である有明海では、今月5日からシーズンの主要な漁期となる「冷凍網のり」の時期を迎えていますが、海水に含まれる栄養が不足し、漁協によりますと大半の漁業者が漁を遅らせる対応をとっています。

佐賀市の漁業者中島良人さんは今月上旬から漁を始めましたが、海の栄養不足によりのりの「色落ち」の被害が出ています。

中島さんは「のりは去年より柔らかいものの本当の色が出ていない。雨がしっかり降ってくれれば回復するので期待したい」と話していました。

有明海ののり養殖は昨シーズン、赤潮の発生などによって海の栄養が不足する状況が続いて記録的な不作に見舞われ、生産量が大幅に減少しています。

佐賀県や漁協は緊急の対策として赤潮の原因となるプランクトンを食べるかきを漁場に設置する取り組みを今月16日から始めていて、海の環境の改善を急ぐことにしています。