武雄市 大学設置計画で講演会 “地域と一体の協力関係を”

4年制大学を設置する計画が進められている武雄市で、地方大学の立て直しに携わった学長による講演会が開かれ、若者の定着率を高めるためには地元企業での学生の就業体験など地域と一体となった協力関係が欠かせないと訴えました。

佐賀女子短期大学を運営する学校法人「旭学園」は武雄市の白岩体育館の跡地に、4年制大学の「武雄アジア大学」を2026年春に開設する計画を進めています。

16日武雄市で開かれた講演会は大学設置について理解を深めてもらおうと学校法人が開いたもので、経営難に陥った地方大学の立て直しに関わった群馬県の私立大学の学長、大森昭生さんが「大学は地域に何をもたらすか」をテーマに講演しました。

会場には市民らおよそ80人が集まり大森さんは、大学が地方創生に大きな役割を果たすとした上で、「『ここに住みたい』『ここで働きたい』と思えるよう若者を地域と一体で育てる学びの提供が大事だ」と指摘しました。

大森さんの大学では地元企業の協力を得て、学生の就業体験や海外拠点での研修なども推進したところ学生の地元への就職率は20%近く向上したこということで、地域と一体となった協力関係が欠かせないと訴えました。

大学の設置をめぐって武雄市は来月、財政的な支援策について議会との間で協議することになっていますが、議会側からは市の負担を不安視する意見も出ていて、地元での理解をどう得ていくかが課題となっています。

学校法人の今村正治理事は「大学があることで生活や文化がどう変わるのか、こうした講演会を契機にして地域の皆さんと一緒に勉強し開学の準備を進めていく」と話していました。