有明海の養殖のり 生産低調で高値の取り引き 次回入札は延期

佐賀県沖の有明海では、海の栄養分が不足し、養殖のりの生産が低調な状態が続いています。
9日に佐賀市で行われたのりの入札会は、今後も品薄な状況が続くとの見通しから高値での取り引きとなったほか、次回の入札は延期となりました。

県有明海漁協では今シーズン3回目となる入札会が9日開かれ、買い付け業者の担当者およそ250人が、品質を確かめて値段を付けていました。

出品されたのは、先月中旬から下旬にかけて収穫されたおよそ1億2700万枚で、過去5年間に3回目の入札に出品された平均枚数をおよそ8000万枚下回りました。

県有明海漁協は、雨が少ない状態が続いて海の栄養分が不足し、養殖のりの生産が低調になっているためだと分析しています。

一方、今回の入札で販売価格の合計はおよそ24億9320万円、落札価格は1枚あたりの平均で19円64銭と、去年の3回目の入札より5円1銭、率にして34%高くなり、今後も品薄な状況が続くという見通しから、高値での取り引きとなりました。

さらに漁協では、生産の回復が当面、見込めないとして、今月23日に予定されていた4回目の入札を来月6日に延期することを決めました。

県有明海漁協の深川辰已参事は「今は雨が降って海の状況がよくなり、何とか生産の回復につながればいいと願っている」と話していました。

佐賀県沖の有明海では、シーズン後半の「冷凍網のり」の養殖が今月5日に解禁されましたが、養殖を始めたのは、15ある漁協の支所のうち、佐賀市の大詫間と久保田町の2つにとどまっているということです。