有田焼の十四代今泉今右衛門さんの窯で「初窯出し」

有田焼の陶芸家で人間国宝に認定されている十四代今泉今右衛門さんが佐賀県有田町の窯で新年の仕事始めにあたる「初窯出し」を行いました。

有田焼の十四代今泉今右衛門さんは、伝統的な華やかな絵付けの技法を受け継ぐとともに独自の作風を確立し、人間国宝に認定されています。

6日朝、有田町にある窯元で焼き上げた作品をことし初めて窯から取り出す「初窯出し」が行われ、まきを燃料にして2日間かけて焼き上げたおよそ300点の作品が取り出されました。

このうち「色絵薄墨墨はじき珠樹四季花文龍花瓶」は、いまから80年あまり前に十一代が手がけた作品をモチーフにして、花瓶の表面にことしのえとの「たつ」の細工をほどこした意欲的な作品です。

花瓶には十四代の今右衛門さんが生み出した墨で線を描く技法でサクラやアジサイなど10種類以上の四季の花がこまやかに描かれています。

十四代今泉今右衛門さんは「作品が無事に焼き上がってほっとしています。ことしは日々の仕事を大切に積み重ね、新しいことにも取り組んでいきたいです」と話していました。

6日、窯出しされた作品は上絵をつけて仕上げたうえで、ことし4月以降、東京や福岡など全国各地で開かれる個展で披露されるということです。