有明海ののり養殖 海水の栄養不足で多くの漁協支所が作業延期

全国一の養殖のりの産地、佐賀県沖の有明海で、今シーズン後半ののり養殖が5日から始まる予定でしたが、海水に含まれる栄養が不足しているため、多くの漁協の支所が作業を延期しました。

有明海ののりの養殖は秋と冬の2回行われていて、5日午前0時からシーズン後半の「冷凍網のり」の養殖が解禁されました。

しかし、県有明海漁協によりますと、海水に含まれる栄養塩が不足しているため、15ある漁協の支所のうち多くの支所が海の状況が改善するまで網を張り込む作業を延期したということです。

養殖を始める時期の見通しは立っておらず、海の状況が改善したのち作業を始めるということです。

また、張り込む網の量についても少ない栄養塩を分け合うため、漁協の支所ごとに6割以内に制限して始めることを申し合わせたということです。

県有明水産振興センターの調査によりますと、今月2日時点で、佐賀県沖の有明海の全域で栄養塩が不足しているということです。

今シーズンののり養殖は記録的な不作となった昨シーズンに続き、川から海へと栄養を運ぶ雨が少ないことなどが影響し、厳しい状況が続いています。