公立中学校教員の採用試験倍率は1.9倍で全国最下位に

昨年度、佐賀県で実施された公立中学校の教員採用試験の倍率は1.9倍と、全国で最も低くなったことが分かりました。
県教育委員会はより多くの人が受験できるよう来年度から採用試験を見直し、人材の確保を進めることにしています。

文部科学省の調査によりますと、昨年度、県内で行われた公立中学校の教員採用試験を受験した人は176人だったのに対し、採用された人は93人で倍率は1.9倍となり、前の年度より0.7ポイント減って全国で最も低くなりました。

また、小学校や高校の教員、養護教諭などを含めた全体の倍率は2.3倍で、富山県と長崎県の2.1倍に次いで全国で2番目に低くなっています。

県教育委員会は、全国的な受験者数の減少や定年退職者の増加により採用枠が増えていることなどが、倍率の低下につながっているとしています。

倍率が低いと教員の質の低下につながりかねないことから佐賀県では来年度の試験から制度を見直し、1次試験を大学3年生でも受験できるようにするほか、1次試験を免除する大学や大学院推薦の対象を広げるなど、人材の確保を進めることにしています。

県教育委員会教職員課は「厳しい状況だと認識している。多様な人に受験してもらうため、来年度からの新制度も踏まえて、受験環境や待遇などの改善に取り組みたい」と話しています。