県が検討中の洋上風力発電 漁業への影響調査で環境悪化報告も

佐賀県が唐津市沖に誘致を検討している洋上風力発電について、漁業への影響調査の報告会が唐津市で開かれ、候補地の海域ではすでに海藻類の減少などが進んでいることが説明されました。

佐賀県と唐津市は再生可能エネルギーへの転換を図ろうと洋上風力発電の誘致を検討していて、唐津市の5つの離島の沖合を「候補海域」としています。

県は、こうした海域の漁業への影響調査を去年8月から行っていて、これまでの調査を説明する報告会には、地元の漁業者およそ40人が参加しました。

この中で、県から委託を受けて調査を行っている海洋調査会社は、候補となっている一部の海域でウニなどが海藻を食い荒らす磯焼けが進行し、海藻類がかなりのスピードで減っており、海の環境が悪化していることを報告しました。

調査は来年5月ごろまで続けられ、県は、洋上風力発電が建設される場合の影響の評価にいかすことにしています。

参加した漁業者の男性は「まだ漁業への影響が完全にわかっていない状態。漁業者みんなが理解できるよう引き続き説明をしてもらいたい」と話していました。

県産業グリーン化推進グループの佐保幸伸推進監は「洋上風力発電は漁業との共生が大事だ。漁業者に海の様子を報告して地元の理解を進める」と話していました。