老舗酒蔵で日本酒の初しぼり 小城

佐賀県小城市にある老舗の酒蔵では、県内で収穫された新米で仕込んだ日本酒の初しぼりが行われました。

およそ150年の歴史がある小城市の酒造会社では、17日、酒蔵で初しぼりの神事が行われ、会社の関係者や日本酒の原料となるコメの生産者の代表が玉串をささげました。

このあと、酒造りの責任者の杜氏が、貯蔵されているタンクから出来上がったばかりの日本酒をひしゃくですくい、集まった人たちと新酒を口に含んだりして味や香りを確かめていました。

この酒造会社では、佐賀市富士町でこの秋、収穫された「日本晴」という酒米を使って先月末から酒の仕込みを進めていました。

会社によりますと、新型コロナの影響で落ち込んだ日本酒の出荷量は、以前とほぼ同じ水準まで回復したほか、最近では海外での日本酒の人気の高まりを背景に、特に韓国や台湾への輸出が伸びているということです。

天山酒造の七田謙介社長は「初しぼりは、毎回、酒の仕上がりが気がかりで緊張しますが、ことしの新酒はコメの風味がしっかりと出ているうえ、味と香りに新鮮さを感じ、よい仕上がりになったと思います」と話していました。

初しぼりの日本酒の販売は来月3日から始まり、例年並みとなる、1升瓶で9000本程度が、県内を中心に関東や福岡などに出荷されるということです。