上峰町返礼品シャインマスカット 加工業者が必要な認定受けず

上峰町がふるさと納税の返礼品として扱っていたシャインマスカットが地元の返礼品とみなされるよう、事業者が町内で行っていた加工処理について、実際には必要な認定を受けていなかったことがNHKの取材で分かりました。
上峰町は「認定が必要とは認識していなかった」とコメントしています。

ふるさと納税を巡って総務省は、返礼品を原則地元の産品とするよう求めていますが、上峰町では事業者が、甘みが増すとされる「氷温熟成」の加工処理を町内の貯蔵施設で行い、九州産のシャインマスカットを町の返礼品として扱ってきました。

公益社団法人の「氷温協会」によりますと氷温熟成による加工を施すには産品ごとに協会の認定を受ける必要がありますが、上峰町にそうした事業者はなく、必要な認定を受けないまま氷温熟成の表記をしていたことがNHKの取材で分かりました。

また、上峰町は去年末、期間限定で氷温熟成したとするおせち料理も返礼品として扱っていましたが、これについても認定を受けた事業者はないということです。

氷温協会の担当者は「消費者が誤認してしまう恐れがあるので氷温の表記は手続きを踏んで正しく行ってほしい」と話しています。

一方、上峰町の担当者は「認定が必要とは認識していなかった。事実関係を確認する」とコメントしています。

上峰町がふるさと納税の返礼品として扱っていたシャインマスカットを巡っては、仲卸業者が、岡山県産や長野県産の商品についても、九州産として扱っていたことが分かっています。


氷温熟成されたものとして上峰町のシャインマスカットを納品していた県内の返礼品取扱業者は、「『氷温』の表記をしている業者はほかにもあり、表示に認定が必要だと認識しておらず、上峰町に氷温熟成したシャインマスカットだとして返礼品を提案してしまった。結果的には町を騙したような形になり、今後は改めたい」と話しています。