佐賀市の高校で「キュポラ」と呼ばれる溶解炉を使った実習

「キュポラ」と呼ばれる溶解炉を使った実習が佐賀市の高校で行われ、生徒が溶かした鉄で文鎮などを作って鋳造の技術を学びました。

この実習は、危険な作業を行う際の心構えとものづくりの楽しさを学んでもらおうと、佐賀市の佐賀工業高校が毎年行っていて、6日は、機械科の3年生、およそ40人が参加しました。

キュポラは、高さおよそ6メートルの鋼鉄の筒の内側に耐火レンガを張った溶解炉で、実習室では教員が燃料のコークスと材料になる鉄くずなどを入れて、およそ1400度にまで熱しました。

そのあと、教員がキュポラの取り出し口の穴を開けるとどろどろに溶けた真っ赤な鉄が流れ出ました。

生徒たちはおよそ4キロあるひしゃく型の容器で溶けた鉄を受け取ると、校章が入った文鎮や、工具をかたどった鋳型に慎重に鉄を流し込んでいました。

生徒たちが作った作品は、温度が下がるのを待って3日後に取り出され、このうち工具は学校で後輩たちが使い、文鎮は卒業式で記念品として機械科などの卒業生に贈られるということです。

機械科の3年生、古賀陽向さんは「容器が重く、鉄を鋳型に注ぐのは難しかったが、安全にできてよかった。いい経験になった」と話していました。