県が「カスタマーハラスメント」への対応を学ぶセミナー開催

顧客からの迷惑行為や過剰なサービスの要求など「カスタマーハラスメント」への対応を学ぶセミナーが佐賀市で開かれ、専門家が「業務に支障が出る場合はきぜんとした態度をとることも必要だ」と指摘しました。

このセミナーは、「カスタマーハラスメント」と呼ばれる顧客からの迷惑行為や過剰なサービスの要求などへの対応について学んでもらおうと佐賀県が開いたもので、県内の企業や行政機関の担当者、およそ70人が参加しました。

セミナーでは大手情報サービス会社で顧客対応にあたった経験のある谷厚志さんが講師を務め、「クレームを受けた際は『指摘を頂いて感謝する』という姿勢で相手に寄り添って話しを聴くことが必要だ」と述べました。

一方で、「暴言をはかれたり、無理難題を言われたりして業務に支障が出る場合はきぜんとした態度をとることが大切で、最終的にどの段階で対応を打ち切るかについては組織でルールをつくり、従業員を守ることも必要だ」と指摘しました。

参加した看護師の女性は、「まずは相手の話をしっかり聞いてどのようなことを求めているのかを把握することが大事だと感じた」と話していました。

また、ガソリンスタンドを運営する会社の担当者は、「トラブルを未然に防ぐためにも迅速で丁寧な対応を心がけていきたい」と話していました。

カスタマーハラスメントをめぐっては、厚生労働省が3年前に企業に委託して行った調査で回答した6200社あまりのうちおよそ6割が、解決のための取り組みが「特にない」と回答するなど、企業の対応のあり方が課題となっています。