“カササギが佐賀平野で絶滅のおそれ”県に対策を陳情

佐賀県で「カチガラス」の名前で親しまれている「カササギ」が、生息地の佐賀平野で絶滅のおそれがあるとして、野鳥の愛好家の団体が19日、保護に向けた対策を取るよう県に陳情しました。

カササギは、佐賀県を中心とした広い地域を生息地として国の天然記念物に指定されている鳥で、「カチカチ」という鳴き声から県内では県の鳥として「カチガラス」とも呼ばれ、親しまれています。

このカササギが佐賀平野で絶滅のおそれがあるとして、日本野鳥の会佐賀県支部のメンバーが19日、県に対し、保護に向けた対策を取るよう陳情しました。

野鳥の会によりますと、県内のカササギの数はこの10年余りでほぼ半減しているということで、陳情書では、保護と増殖に向けた研究団体の設置や、特区・特別区域を設けて個体群の回復を図ることなどの対策を求めています。

一方、県はこれまでに福岡や熊本など県外で目撃情報があるとして、「生息域が分散し、今の時点で絶滅の危機にはない」との見解を示しています。

陳情に対し、県文化・観光局の中尾政幸局長は「佐賀市内でカササギを見る機会が減ったと言われるので、そういった気持ちをくみ取り、どういうことができるか考えていきたい」と述べました。

一方、日本野鳥の会佐賀県支部の宮原明幸支部長は「県外に分布を広げているので数は変わらないという問題ではなく、佐賀に生息するカササギを守ってほしい」と訴えました。