県産材の補助金約300万円を水増しして申請 業者が返還

佐賀県産の木材を使った事業者に支払われる県の補助金およそ300万円が、水増しして申請されていたことがわかりました。
手続きを行った業界団体は、元職員が事業者側に水増しして申請するよう働きかけていたと明らかにし、水増し分を返還させたと発表しました。

佐賀県では県産の木材の利用促進を図るため住宅の建設やリフォーム、塀の整備などで県産材が使われた際に補助金を支給しています。

補助金の申請などの手続きを行っている業界団体の「佐賀県木材協会」によりますと昨年度の申請のうち、佐賀市の事業者が塀を整備した際の申請1件で、不審な点があることが県の指摘で分かったということです。

調査したところ手続きに関わった元職員が、整備の工事費用が実際にはおよそ180万円だったにもかかわらず、600万円だったと申請するよう事業者側に働きかけ、補助金の上限にあたる300万円を水増しして申請していたということです。

元職員はことし3月に退職していて調査に対して、「補助金の予算を消化するために水増しを働きかけた」と説明しているということです。

このため木材協会は、水増し分の補助金300万円を事業者から返還させたということです。

また、利息や余分にかかった事務経費などの加算金およそ50万円については、事業者と元職員にそれぞれ負担させるとしています。

補助金の申請は元職員1人にほぼ任せていたということで木材協会では、複数の担当者で申請の内容を確認するなど、再発の防止に努めるとしています。