戦時中の体験を絵で描いた作品の展示会 NHK佐賀放送局

戦時中の体験の記憶を絵で描いた作品の展示会が、NHK佐賀放送局で開かれています。

「あなたの絵が伝える“佐賀の戦争”展」は、戦時中の体験の記憶を絵の形で記録し未来へ伝えていこうと、NHK佐賀放送局が開いています。

佐賀市にある佐賀放送局1階のイベントスペースには、ことし5月から先月までに応募のあったおよそ70点の作品と去年の作品80点あまりが展示され、佐賀市や鳥栖市の空襲の体験など戦時中の記憶が描かれています。

このうち原田洋子さん(90)の作品は、昭和20年8月の佐賀空襲で自宅の寺に焼い弾が投下され、火の手があがる様子を描いたものです。

原田さんは当時の状況について「最後に残った本堂の屋根が崩れ落ちた様子は今も脳裏に焼き付いています」と振り返っています。

また、牟田早苗さん(85)の作品は、終戦の直前、空襲警報のサイレンが鳴る中、祖母が引くリヤカーに弟を乗せて家族5人で佐賀市内から避難する様子が描かれています。

牟田さんは「子どもだったので戦争の本当の恐ろしさは感じていないとは思いますが、今でも夜中の飛行機の音は嫌な思いがします」とするコメントを寄せています。

この展示会は佐賀市松原のNHK佐賀放送局で今月31日まで土日を含めて午前9時半から午後5時まで開かれています。