佐賀県開発「サガンスギ」強度の高さ 細胞壁の構造が関係

従来のスギに比べて木材の強度が高いことで知られる佐賀県が開発した次世代のスギ「サガンスギ」について、強度の高さは植物の細胞を覆う「細胞壁」の構造が関係していることが県などの研究で分かりました。

佐賀県が開発した「サガンスギ」は従来の県産のスギに比べて花粉の量が少なく、木材の強度が高いことで知られています。

このサガンスギについて、鳥栖市にある「九州シンクロトロン光研究センター」の担当者らが、物質の構造を詳細に分析できる特殊な光を使った研究成果の発表を2日、佐賀市内で行いました。

それによりますと、サガンスギの細胞壁を作る繊維の傾きの角度が、従来のスギと比べて平均で半分程度、小さいことが分かったということです。

細胞壁の繊維の傾きは角度が小さいほど木材の強度が高くなることが知られていて、今回の研究でサガンスギの強度の高さが裏付けられたということです。

また、サガンスギのDNAを解析したところ、親の持つ細胞壁の繊維の構造が子どもへと遺伝していることも確認できたということです。

今回の研究結果を踏まえて、県は今後、花粉をつけない品種の開発や、より木材の強度が高い品種を選んでいきたいとしています。

県林業試験場の江島淳特別研究員は「サガンスギが木材として強度が高いことを積極的にアピールしたい」と話していました。