吉野ヶ里遺跡の墓の内部調査 ひつぎの広範囲に赤く塗られた跡

佐賀県の吉野ヶ里遺跡で出土した弥生時代後期の墓の内部調査で、有力者の墓でみられる赤く塗られた跡がひつぎの中の広い範囲で見つかりました。

吉野ヶ里遺跡では、ことし4月に弥生後期の石の墓=石棺墓が見つかり、これまでの調査でこの時代の有力者の墓にみられる赤い顔料がふたの裏側などに付着していたことが確認されています。

県によりますと、13日はひつぎの内側の一部を20センチから25センチほど掘り下げたということです。

この結果、ひつぎを形づくる10枚の板状の石のうち6枚から赤い顔料が塗られていた跡が見つかり、ひつぎの内側全体が赤く塗られていた可能性があるということです。

佐賀県文化課文化財保護・活用室の白木原宜室長は「ひつぎの中を赤く塗ることは墓全体の中では極めて少なく、埋葬されたのは特定のランクの人物という考えに変わりはない」と分析しています。

また13日の調査では通常の石棺墓の底で見られる板状の石を固定するための土を固めた跡も見つかり、ひつぎの深さは25センチから30センチほどと推定されることも分かりました。

一方、副葬品はこれまでに見つかっておらず、ふたにあった「×」のように刻まれた記号もひつぎの内側では確認されていないということです。

墓の内部を掘る調査は早ければ14日にもおおむね終わり、副葬品が残されているかどうかが分かるということです。