吉野ヶ里遺跡 ひつぎの幅が36センチ 女性埋葬の可能性
弥生時代後期の墓が見つかった佐賀県の吉野ヶ里遺跡で、ひつぎの幅が36センチと比較的狭かったことが分かりました。
埋葬されている人が女性など、肩幅が狭かった人の可能性があるとみられています。
吉野ヶ里遺跡でこれまで調査が手つかずだった「謎のエリア」では、ことし4月、弥生後期の有力者のものとみられる石の墓=石棺墓が見つかりました。
県は今月5日から墓のふたを開けて内部の調査を行っていて、9日はひつぎの中の土を2センチ、ひつぎの外の土を20センチほど掘り進めたということです。
この結果、ひつぎは石を縦に4枚ずつ、横に1枚ずつ並べて作られていて、幅が36センチ、長さが1メートル80センチだったことが分かりました。
県によりますと、ほかの石棺墓と比べて幅が細めで、埋葬されている人が女性など肩幅の狭い人の可能性があるということです。
さらに、ひつぎの大きさと比べて墓のふたが分厚く重い点も特徴的だということです。
佐賀県文化課文化財保護・活用室の白木原宜室長はふたに「×」の線が刻まれていたことも踏まえ「重しをかけておきたい、再生して欲しくないような人が葬られていることはありうる。薄い石が手に入りやすい中でわざわざ分厚いものをふたとして使ったのはそれなりの意味がある」と指摘しています。
またひつぎの隙間を埋めるために2種類の粘土が使われていたことがわかったほか、ひつぎの外側から、埋める際に混ざったとみられる数十もの弥生土器の破片が見つかったということです。
県は引き続き土を掘り進め、来週中にも副葬品があるかどうか分かる見通しだとしています。