嬉野の老舗旅館 10連休の休館日 人材確保の切り札に

嬉野市の温泉旅館が、ことしから10日間の連続休館日を設けることになりました。
従業員がリフレッシュできる期間をつくって、人材確保の切り札にしたい考えです。

10日間の連続休館日を新たに設けるのは、嬉野市で3つの温泉旅館と、豆腐の工場を経営する大正屋です。

休館日は、2つの旅館と工場が8月28日から9月6日まで、もう1つの旅館が6月26日から7月5日までで、期間をずらすことで、宿泊客がいずれかの旅館に泊まれるようにしたということです。

また会社は、休館日の期間中、費用を負担して海外旅行や国内旅行、日帰りの昼食会を企画し、従業員のリフレッシュを図るとともに、交流を深めることにしています。

新型コロナが5類に移行したことで経済活動が活発になっている一方、旅館やホテルといった宿泊業界は、長時間労働や休暇が少ない印象などから新しい人材の確保が難しく、人手不足が問題となっています。

会社によりますと、現在は人手は足りているということですが、およそ200人いる従業員のうち7割近くが60代以上で、若い従業員をいかに確保するかが課題になっているということです。

山口剛副社長は「売り上げは減るが、従業員に長く働いてもらうために決めた。これでうちで働きたいという人が出てきてくれたらうれしい」と話していました。