佐賀県で栽培広がる国産小麦の新品種でフランスパン開発
全国有数の小麦の産地、佐賀県で、パンづくりに適した新たな品種の小麦を使ったフランスパンが開発され、自給率が低い国産小麦の可能性を広げると期待されています。
佐賀県は全国3番目の小麦の産地で、去年品種登録された「はる風ふわり」というパンづくりに適した新たな品種の栽培が広がっています。
福岡県大野城市に本社があるパン製造会社リョーユーパンの佐賀県神埼市の工場では「はる風ふわり」の小麦粉だけを使ったパンを開発し、先月1日から販売を始めました。
パンは、石窯で焼き上げられた小麦の香りが高いフランスパンで、バターが入ったものとレーズンが入ったものの2種類があります。
「はる風ふわり」には、パンの生地の粘りけを生むタンパク質が平均でおよそ13%含まれるとされ、品質が良いカナダ産の輸入小麦並みの値に近づいたということです。
パン用の小麦は現在ほとんど輸入に頼るなか、「はる風ふわり」の栽培が広がることは国産小麦の可能性を広げると期待されています。
リョーユーパン佐賀工場の渡邊尊工場長は「地産地消を第一に私たちもやっていきますので、生産者から消費者のもとに届けられるよう頑張っていきたい」と話していました。
このあとフランスパンは、佐賀市のスーパーで販売され、訪れた客がさっそく買い求めていました。
買い物客の女性は「ぜひ買って食べてみたいと思います。やっぱり地元のものは安心感がありますね」と話していました。
このパンのほとんどは佐賀県内に出荷されていますが、一部は福岡県の店でも購入できるということです。