石棺墓のふたの無数の記号が表す意味は?

石棺墓のふたの無数の記号が表す意味は?

今回出土したのは石でできたひつぎ=石棺墓のふたとみられています。
表面には記号のような交差した線が刻まれていて、その意味合いが関心を集めています。

見つかった4枚の石のふたのうち2枚は表面に「×」や「十」の形が無数に刻まれています。

交差した線は、規則性がなく、何を意味しているかはわかっていませんが、弥生時代の絵画に詳しい奈良県立橿原考古学研究所の橋本裕行特別研究員は、九州北部の弥生時代の墓からは、副葬品として「邪悪なものを遠ざける」と信じられた「鏡」が多数見つかっているとした上で、「鏡と同様に『×印』にも邪悪なものが侵入することを防ぐという意味合いが込められていると考えることもできる」と話していました。

また「規則性がないことから一人の人間が刻んだと考えるよりは、入れ替り立ち替り1人ずつ刻んでいったということも考えられる」と話しています。

佐賀県文化課によりますと、こうした×のような線が弥生時代の墓で見つかるのは極めて珍しく、全国でも、吉野ヶ里遺跡に近い佐賀県内の遺跡、「瀬ノ尾遺跡」と、「二※塚山遺跡」の2か所だけだということです。

県文化財保護・活用室の白木原宜室長は「死者を葬る際、この地域に共通した儀礼があったのでは」と話しています。

※塚は点なし。