オスプレイの整備予定地 県有明海漁協が土地売却を正式決定

陸上自衛隊の輸送機オスプレイの佐賀空港への配備計画をめぐり、駐屯地の整備が予定されている土地の名義を持つ県有明海漁協は、15日、防衛省に土地を売却することを正式に決定しました。
今後、空港西側への駐屯地の整備の着手に向け動き出すことになります。

防衛省は佐賀空港へのオスプレイ配備のために空港西側の土地33ヘクタールに自衛隊の駐屯地を新たに整備する計画で、今月1日、地権者でつくる協議会は防衛省に土地を売却する方針を決めました。

これについて15日、登記上で土地の名義を持つ「佐賀県有明海漁協」は、非公開で理事会を開き、出席者によりますと、地権者の決定を尊重して防衛省に土地を売却することを全会一致で決めたということです。

理事会のあと県有明海漁協の西久保敏組合長は「8割の地権者が売ると言っているので漁協として敬意を払うということだ。いろいろな懸念が出てくると思うので防衛省にはしっかりと整理してもらう必要がある」と話していました。

また協議会が3分の2以上の賛成で土地を売却する方針を決めたことをめぐり、一部の地権者が「民法上、共有の土地の譲渡には地権者全員の合意が必要だ」と主張していることについて、西久保組合長は理事会に先立って漁協の幹部が九州防衛局から説明を受け議決の方法に問題はなかったと判断したと述べました。

今後、防衛省が漁協と土地の売買契約を結び空港西側への駐屯地の整備の着手に向け動き出すことになりますが、漁協では引き続き駐屯地からの排水対策や、漁業への影響が出た場合の補償などについて協議していく方針です。

県有明海漁協に説明に訪れた九州防衛局の伊藤哲也局長は「土地の売却については、防衛省側としては漁協内での手続きを踏んで決定されたため問題はないと認識している」と話しました。