トラック運転手不足 果物や野菜を鉄道輸送する実験 JAさが

物流業界でトラックドライバーの不足が懸念される中、JAさがなどは代わりの輸送手段として鉄道を活用しようと、いちごなどの傷みやすい果物や野菜を特殊なコンテナで東京まで運ぶ実証実験を行いました。

物流業界では、来年4月から始まるトラックドライバーの時間外労働の規制強化で、輸送できる荷物の量が減少することが懸念されていて、「2024年問題」と呼ばれています。

こうした中、27日、JAさがなどは長距離トラックの代わりの輸送手段として鉄道を活用しようと、果物や野菜を東京まで貨物列車で運ぶ実証実験を行いました。

今回の実験では、果物などに高い電圧をかけて呼吸を抑えたり、内部の温度を調整したりして傷みやすい食材でも鮮度を保ったまま運べる特殊な冷蔵コンテナが使われました。

佐賀市の「青果物コントロールセンター」では、箱に詰められた県内産のいちごやアスパラガス、それにブロッコリーがコンテナに次々と積み込まれていきました。

そして、JR貨物の鍋島駅でコンテナが貨物列車に乗せられました。

列車は27日夜9時半ごろに佐賀を出発して、およそ24時間かけて28日の夜、東京に到着する予定で、果物や野菜は到着後の状態を確認したうえで3月1日の朝には大田市場に並ぶということです。

JAさがなどは今後も鉄道での輸送を増やす方針で、別の食材などでもテストしていくことにしています。

JAさがの青果物コントロールセンターの松尾直センター長は「野菜や果物の鮮度を担保しつつ、物流コスト上も、農家に負担にならない取り組みを進めていきたい」と話していました。