九州新幹線“佐賀空港ルート選択肢にならず“鉄道・運輸機構

九州新幹線西九州ルートの佐賀県内の区間をめぐって、国が示している3つの案のうち佐賀空港を経由するルートについて、1日に開かれた与党の委員会で、鉄道・運輸機構は建設方法を検討した結果、「現実的な選択肢にはならない」と報告しました。

九州新幹線西九州ルートのうち、着工のめどが立っていない佐賀県内の新鳥栖と武雄温泉の区間について、国は3つのルートの案を示し、国と地元・佐賀県の間で協議が続いています。

1日に開かれた与党の検討委員会で、鉄道・運輸機構は3つの案のうち、佐賀県が「一考に値する」としている佐賀空港を経由するルートについて、技術的な検討の結果を報告しました。

報告では、空港の周辺での3つの建設方法を検討した結果、川の上に橋をかける工法は空港周辺の高さ制限などから、トンネルとなる箱を川底に埋める工法では漁業への影響などからそれぞれ建設は困難だとしています。

また、シールドトンネルは施工は可能なものの地盤の沈下が懸念され、安全な運行に支障が出るおそれがあるとして、佐賀空港を経由するルートは「現実的な選択肢にはならない」と説明しました。

これを受けて、委員会は国土交通省に対して、佐賀県に報告内容を丁寧に説明し、引き続き協議するよう求めました。

委員会の森山裕委員長は、記者団の取材に対し「空港ルートは非常に難しいということだった。九州全体でも大事なプロジェクトなので、佐賀県に理解をいただきできるだけ早く進めることが大事だ」と述べました。

与党検討委員会のあと、佐賀県の山口知事は、県庁で記者団の取材に応じ「まだはっきりと聞いておらずよくわからないので、いろいろときょうあったことを聞いてみたいと思う。ルートについてもいろいろな検討がなされる可能性があるという話だったので、それはいいことだと思う」と述べ、フル規格での整備については、さまざまなルート案を検討すべきだというこれまでの考えを強調しました。