並行在来線 新たな特急「かささぎ」が運行を開始

西九州新幹線の開業にともなって並行在来線となる区間を走る、新たな特急列車「かささぎ」の運行が23日から始まり、始発駅となる鹿島市のJR肥前鹿島駅で出発式が行われました。

西九州新幹線の開業にともなって、長崎本線の江北町と長崎県の諫早の間は、23日から並行在来線となり、「かささぎ」は、このうち肥前鹿島と博多方面を結ぶ新たな特急列車として、23日から運行が始まりました。

博多行きの一番列車には、記念乗車をしようという地元の人たちや、福岡や関西方面に向かう観光客などおよそ30人が乗り込みました。

駅では出発式が行われたあと、午前6時39分、地元の人たちが旗を振るなか、列車が博多に向けて出発していきました。

並行在来線となる区間の列車の運行は当面、JR九州が継続しますが、肥前鹿島駅を発着する特急は1日に14本と、これまでの3分の1に削減されます。

鹿島市に住む60代の女性は「一番列車を記念するため博多まで乗って、すぐに戻ってくる予定です。肥前鹿島を発着する特急が減るのは残念ですが、これからは、なるべく鉄道を利用したいと思います」と話していました。

また、鹿島市に住む50代の女性は「特急は、これまでは1時間に1本から2本、肥前鹿島駅に停まっていましたが、大幅に本数が減って不便になるので困ります」と話していました。

鹿島市の松尾勝利市長は「特急列車の本数は大幅に減りますが、ピンチをチャンスと捉えて、地域の魅力を発信して鉄道利用者の増加につなげていきたい」と話していました。

並行在来線となる区間では、特急の削減に加えて、ダイヤの変更で乗り換えの回数が増えるなど、利便性の低下が指摘されていて、鹿島市や地元の商工団体では、利用状況を確認したうえで、JRに対して対策を求めることにしています。