西九州新幹線23日開業 期待集まる一方で残された課題も

武雄温泉駅と長崎駅を結ぶ「西九州新幹線」は、23日に開業します。
観光業を中心に期待が集まる一方で、新鳥栖=武雄温泉間の整備方針をめぐる協議や、並行在来線の利便性確保など、課題の解決にどう取り組んでいくかが問われます。

武雄温泉と長崎のおよそ66キロを結ぶ「西九州新幹線」は、最初の計画からおよそ半世紀を経て、23日に開業します。

博多や佐賀から長崎に向かうには、武雄温泉まで在来線の「リレー特急」に乗り、同じホームで新幹線に乗り換える「リレー方式」の形をとります。

各駅の所要時間は、いずれも最速で武雄温泉と長崎の間が23分、佐賀と長崎の間が乗り換え時間も含め44分、博多と長崎の間が1時間20分となり、佐賀や博多と長崎の間は30分から40分ほど短縮されます。

武雄温泉では、新幹線開業とともに在来線の特急の本数が倍増するほか、嬉野温泉ではおよそ90年ぶりの鉄道開業となり、観光業を中心に新しい人の動きに期待が集まっています。

一方で、ルートなどが決まっていない新鳥栖=武雄温泉間をどう整備するかや、並行在来線として「上下分離方式」で運行される長崎本線の肥前山口=諫早間の利便性確保など、残された課題の解決にどう取り組んでいくかも問われます。

【山口知事「地域が盛り上がるよう頑張りたい」】
西九州新幹線が23日、開業することについて、佐賀県の山口知事は22日、報道陣に「いろんな皆さんの感情が入り交じった中で、こうした形で今回の開業に至った。多くの注目が集まっていますので、ぜひ全力で西九州一帯として地域が盛り上がるように頑張っていきたい」と話しました。

また、未整備の区間である新鳥栖=武雄温泉の区間で、国が投資による効果が最も高いとしている「佐賀駅ルート」については、「九州全体のさまざまな変化も含めて未来予想図を描いたうえで議論するべきだ。単に佐賀駅を通るという決め打ちでなく、さまざまな可能性を閉ざしてはいけない」と述べ、ほかの選択肢も検討するよう求めました。