佐賀県の大雨から1年 排水ポンプの増強など水害への備え進む

去年8月に、県内各地で内水氾濫による大きな被害をもたらした大雨から1年になります。
県内では、避難用の駐車場の確保や排水ポンプの増強など、水害への備えが進められています。

1年前の8月に降り続いた大雨では14日に佐賀県に大雨特別警報が出され六角川流域を中心に、市街地に雨水があふれる「内水氾濫」が各地で起きました。

武雄市や大町町を中心に住宅などおよそ3600棟が浸水し、県内全体でいまも22世帯が公営住宅などでの避難生活を余儀なくされています。

このため県や自治体では、避難場所の確保や排水能力を高めるといった対策を急ピッチで進めてきました。

武雄市は、大雨により多くの車両が使えなくなったことを教訓に災害時に利用出来る駐車場の確保を推進。

高台にある大型店舗などと協定を結び、災害時には車両や農業用機械などおよそ5000台を駐車できるスペースを確保しました。

また、雨水を一時的に田んぼにとどめる「田んぼダム」の推進も県内9つの市や町で進められています。

田んぼと水路の間に板を取り付け雨水が一気に流れるのを防ぐもので、県は、全体で25メートルプール4000杯分に相当する、120万立方メートルの雨水をためる効果があるとしています。

たまった水を川へ流す「排水機場」では、排水ポンプの能力の増強や施設じたいの浸水対策が進んでいます。

武雄市にある「高橋排水機場」では3台あるポンプの1台で排水量を増やすため設備を改良し、さらに2年かけて残る2台のポンプも同じ工事を行うことにしています。

武雄河川事務所の穴井利明技術副所長は「ポンプのほかにも川の底を掘るなどして水位をできるだけ下げたい。6月に作った関係機関との行動計画をもとに対策をさらに進めたい」と話していました。

一方、自治体の担当者は、こうしたハード面への対策と同時に、災害に備える住民の意識を高めることも欠かせないと話します。

武雄市治水対策課の吉野修一課長は「ハード面の治水対策にはどうしても限界がある。共助や自助の意識も高まるよう住民に呼びかけていきたい」と話しています。