湖南市の長寿寺 児童が寺の本堂駆け回る「鬼走り」を体験

本堂が国宝に指定されている湖南市の寺で、地元の小学生たちが五穀豊じょうなどを願って行われる伝統行事「鬼走り」を体験しました。

「鬼走り」は、五穀豊じょうや無病息災を願って湖南市の長寿寺で毎年1月に行われる行事で、鬼にふんして本堂を駆け回る「鬼子(おにこ)」を務めた地域の男の子は一人前として扱われます。
少子化によって「鬼走り」に参加する子どもが少なくなっていることから、担い手の確保につなげようと寺では3年前から地元の小学生を対象に体験授業を行っていて、20日は石部南小学校の6年生40人あまりが参加しました。
子どもたちは住職から「鬼走り」の歴史について説明を受けたあと、鬼と太鼓、かねの3つのグループに分かれて地元の人から演技や演奏について指導を受けました。
そして、住職のかけ声を合図に「鬼走り」が始まると、子どもたちがかねや太鼓を打ち鳴らすなか、赤鬼と青鬼役の子どもがやりや剣、それにたいまつを持って荒々しい舞を披露しながら、本堂を駆け回りました。
青鬼役を体験した男の子は「やりを刺すところは力強い演技を心がけました。地元の行事を知ることができてよかったです」と話していました。
長寿寺の藤支良道住職は「子どもたちが熱心に取り組んでくれて大変うれしく思います」と話していました。