彦根 荒神山の古墳調査 のちの時代に修験道の施設建てたか

彦根市などは、市内の荒神山にある古墳で、人為的に整えられたとみられる地層の上に建物の柱を支えたと考えられる石が見つかったと発表しました。
関係者は「のちの時代に古墳に手を加え、荒神山に拠点があった修験道に関連する建物が建てられたのではないか」としています。

彦根市にある標高およそ280メートルの荒神山には、6世紀から7世紀ごろに造られたとみられる多数の古墳が点在しています。
彦根市は、去年(令和5年)から滋賀県立大学と一部の古墳を調査していて、去年は横穴式の石室を確認しました。
さらにことしも同じ古墳で調査を行い、石室を覆っている盛り土を掘り進めたところ、人為的に平らに整えられたとみられる地層の上におよそ40センチ四方の石が2つ見つかったということです。
この石は建物の柱を支える「礎石」と考えられ、同じ地層で見つかった土器の破片の年代から、13世紀以降の鎌倉時代に、古墳の上に建てられた可能性があるとしています。
滋賀県立大学の金宇大 准教授は、「古墳をのちの時代に再利用して信仰の場とする事例はあるが、古墳そのものに手を加えて建物を建てるのは非常に珍しい。荒神山は修験道の拠点だったので、建物はこれと関連する施設だったのではないか」と話しています。