大津 三井寺所有の「元版一切経」が新たに国の重要文化財に

およそ600年前に朝鮮半島から日本にもたらされ、大津市の三井寺が所有するあらゆる経典を集めた大全集「元版一切経(げんぱん・いっさいきょう)」が新たに国の重要文化財に指定されることになりました。

国の重要文化財に指定されることになったのは、大津市の三井寺が所有するあらゆる経典を集めた大全集「元版一切経」です。
これは、14世紀に中国の元の寺によって印刷された「大般若経」や「法華経」など2892の経典がまとめられたもので、15世紀前半に朝鮮半島から日本にもたらされました。
その後、豊臣秀吉に仕えた毛利輝元が再建に携わっていた大津市の三井寺に寄贈したということです。
経典とともに元の時代の経箱も残っていて、日本の仏教や東アジアの文化交流の歴史を知る上で極めて価値が高いとしています。
滋賀県文化財保護課は「経典は、それが納められていた経箱も含めて保存状態がよく、貴重なものだ。今後、三井寺とも協議して元版一切経などを活用できないか検討したい」と話しています。