「いじめで県立高校を退学」大津地裁が訴え棄却

草津市にある県立高校の元生徒がいじめを受けて不登校となり、退学を余儀なくされたのは学校側が適切な対応を怠ったためだなどと主張し、県などに賠償を求めた裁判で、大津地方裁判所は23日、「学校側の対応は不十分とは言えない」として訴えを退けました。

7年前(2017年)、草津市にある県立高校の当時1年だった男子生徒は、同級生からカバンにパンやゴミを入れられるなどのいじめを受け、学校側が適切な対応を怠ったため、不登校になったのちに退学を余儀なくされたとして、県と同級生に対し、合わせて600万円の賠償を求めていました。
この問題について滋賀県教育委員会は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定しています。
23日の判決で大津地方裁判所の池田聡介裁判長は「同級生の行為は軽微で、多大な精神的苦痛を負ってしまうようなものではない」などと指摘しました。
その上で「担任の教諭らは同級生に指導し、原告がクラスになじめるよう行動するなどしていて、学校側の対応は不十分・不合理とは言えない」として訴えを退けました。
元生徒の母親はNHKの取材に対し、「全く納得できない。もっと息子の立場になり公正な判決を下してほしかった」と話しています。
滋賀県教育委員会は「県の主張が認められたが、原告が退学しつらい思いをしたことは残念で同様の事案の未然防止に全力で取り組む」とコメントしています。