野洲 県が特別養護老人ホーム 1年間新規受け入れ停止の処分

野洲市の特別養護老人ホームで、職員が利用者の顔や腕をたたくなどの虐待があったにもかかわらず、その事実を隠ぺいしていたとして県は新規利用者の受け入れを1年間停止する処分を行いました。

県の処分を受けたのは栗東市の社会福祉法人「すみれ厚生会」が運営する野洲市の特別養護老人ホーム「野洲篠原すみれ園」と、同じ敷地内にある短期入所生活介護事業所です。
県によりますと、この老人ホームでは去年4月、職員から利用者への虐待行為があったとして市から行政指導を受けましたが、その後も去年10月までの間に顔や腕をたたくなどの身体的虐待や、利用者が介護を求めても「あなたの体が悪いから」と暴言を吐いて介護をしない心理的虐待など、3人の職員によるあわせて15件の虐待行為が確認されたということです。
これについて老人ホームの前の施設長は虐待行為を市に報告せず、職員から利用者の家族に「事故でけがをした」とうその説明をさせて隠ぺいしたということです。
県は、市から行政指導を受けたあとも虐待行為が続いていたことと、それを前の施設長が組織的に隠ぺいしていたことから介護保険法に基づいて新規利用者の受け入れを来月(5月)1日から1年間、停止する処分を行いました。
県の聞き取りに対し、前の施設長は「市から指導を受けたあとも連続で虐待が発生し、言いづらくなって隠ぺいした」と話していたということです。

県の処分を受けたことについて老人ホームは「被害を受けた利用者の家族にすでに謝罪をした。全職員から意見を聞き取って作成した改善計画を県と市に提出し、改善に向けて動いている」と話していました。