「場面かん黙症」の画家が香川県で作品展 滋賀県以外では初

不安や緊張で家族など以外と言葉を交わすことが難しい「場面かん黙症」の画家が描いた作品展が香川県丸亀市で開かれています。

日野町に住む画家、SANAMI(さなみ)さんは小学生の時、家族と話せるものの、不安や緊張でことばが出なくなる「場面かん黙症」と診断されました。
その後、独学で絵を描き始め、ペン画や水彩画などに取り組んでいます。
作品展には、SANAMIさんが感動や癒しを表現した作品およそ60点が並んでいます。
このうち、アクリル絵の具で「セイヨウタンポポ」や「ツユクサ」などを描いた作品は緻密に表現された雌しべと、鮮やかな色彩が特徴です。
また「心のかたち」と題した作品は、きめ細かに描かれた数多くのキャラクターの中に「運命を切りひらく」や「一歩一歩」などと前向きなメッセージがちりばめられています。
このほか、SANAMIさんが日々書いている絵手紙も展示され、花や植物の絵とともに「転んだのは歩き出そうとしたから」など、温かく、力強いことばが記されています。
SANAMIさんが滋賀県以外で個展を開くのは初めてということで「どの作品も思い入れがあります。絵をみて元気になってもらえるとうれしいです」とコメントしています。
会場を訪れた香川県綾川町の60代の女性は「絵に見入ってしまいます。前向きなことばが書かれ、元気をもらい、笑顔になります」と話していました。
SANAMIさんの父親は「思いを込めて描いている絵を多く方に見てもらいたい」と話していました。
この作品展は香川県丸亀市の中津万象園・丸亀美術館で5月19日まで開かれ、5月18日と19日にはSANAMIさんが会場を訪れる予定です。