長寿寺の鎌倉期の貴重な掛け軸 修復終えて返還 湖南

湖南市の寺に伝わる鎌倉時代に制作された貴重な掛け軸が修復を終え、21日、寺に返還されました。

湖南市の長寿寺は、鎌倉時代の再建と伝わる本堂が国宝に指定され、掛け軸など鎌倉時代以降の多くの文化財が伝わっています。
21日は、鎌倉時代に制作された「聖観音曼荼羅図(しょうかんのん・まんだらず)」が大津市の専門業者による修復を終えて寺に返還されました。
「聖観音曼荼羅図」は縦が1メートル余り、幅が80センチ余りの掛け軸になっていて、聖観音と2体の明王(みょうおう)が描かれています。
県指定有形文化財にもなっていますが、傷みが激しくなったことから、おととし(2022年)から修復作業が行われてきました。
今回の修復では、聖観音などが描かれた絹地の汚れを取り除き、絹地の下にはられた紙を奈良などから取り寄せた似た素材のものに取り替えることで、絵の色合いが鮮明になったということです。
長寿寺の藤支良道住職は「掛け軸がとても美しくなって戻ってきました。準備が整ったら皆さんに拝んでいただけるように公開したいと思っています」と話していました。
この掛け軸はふだんは非公開ですが、寺では来年以降、期間を限定して一般に公開する予定だということです。