大津 石山寺 本堂の紫式部の人形を修復し披露

紫式部ゆかりの大津市の石山寺が、クラウドファンディングで費用を募っていた人形の修復作業が終わり、18日に披露されました。

紫式部が源氏物語の構想を練ったとされる大津市の石山寺では、本堂に紫式部の木製の人形を安置していますが、制作からおよそ70年が経過し、表面の顔料にひびが生じたり、着物が傷んだりしていたことから、クラウドファンディングで費用を募って修復を進めてきました。
18日は寺の本堂で、修復作業が終わったことを記念して式典が開かれ、クラウドファンディングなどで780万円余りが寄せられたことが報告されたあと、修復を終えた人形が披露されました。
人形は、顔や手の部分に「胡粉(ごふん)」と呼ばれる白い顔料を塗ってひびが修復され、新たに制作された鮮やかな紫色や淡いピンク色の十二ひとえを着ています。
石山寺の鷲尾龍華座主は「人形が美しい姿で戻ってきてくれて本当にうれしく思います。人形を見て紫式部に思いをはせてほしいです」と話していました。
石山寺では、今回のクラウドファンディングで寄せられた資金で、ほかにも江戸時代の掛け軸「紫式部図」の修復を進めていて、こちらはことし11月に修復を終える予定だということです。