甲賀 消防本部のワクチン接種めぐる問題で第三者委が最終報告

甲賀市の甲賀広域行政組合消防本部が、新型コロナワクチンを接種しなかった職員をほかの職員と離れた場所で勤務させた問題で、第三者委員会は「クラスターを出すことは許されないという不安の中で、さまざまな意見を募って対応を協議する仕組みができていなかったことが原因だ」とする報告書をまとめました。

この問題は3年前、甲賀広域行政組合消防本部が新型コロナワクチンを接種しなかった職員をほかの職員から離れた場所で勤務させる対応をとったもので、職員はその後、退職しました。
行政組合が設置した第三者委員会は聞き取り調査を進め、15日に新川達郎委員長が最終報告書を行政組合に提出しました。
報告書では、職員に不当な取り扱いをした原因について「消防本部でクラスターを出すことは許されないという不安が広がり、さらに消防長の意向をそんたくする組織文化の中で、どのように対応するべきかさまざまな意見を募って協議する仕組みができていなかった」と指摘しました。
また、今回の調査の過程で一部の幹部職員などによる暴言や暴力行為なども確認されたとして、「パワーハラスメントがまん延する風土と決別し、職員の絶望感を取り除く必要がある」と総括したうえで、秘密厳守が徹底された相談窓口の設置や、職員研修の実施を提言しています。
会見した新川委員長は「いかなる組織も一人ひとりの人権の上に成り立っているという考えのもとで組織ができていなかったのではないか。まずはこれまでの組織風土から脱却してほしい」と述べました。