“びわ湖の深呼吸” 全層循環を4年連続で確認

“びわ湖の深呼吸”ともいわれる「全層循環」という現象が、11日、確認されました。
この現象が確認されるのは4年連続です。

「全層循環」は、酸素を多く含んだ湖面近くの水が、冬場の冷え込みや風の影響で湖底の水と混ざり合って湖全体の酸素濃度がほぼ同じになる現象で、びわ湖では例年1月下旬から2月にかけて確認されています。
11日、県琵琶湖環境科学研究センターが、びわ湖で最も深い高島市今津町の沖合の水深90メートルの5つの地点を調査したところ、湖底近くの水に含まれる酸素の濃度が1リットルあたりおよそ11ミリグラムと、湖面付近とほぼ同じ値まで上昇していて、全層循環が確認されたということです。
びわ湖の全層循環は平成31年と令和2年の2年続けて確認されず、一時、生態系への影響が懸念されていましたが、令和3年以降は4年連続で確認されています。
県琵琶湖保全再生課によりますと、1月下旬の冷え込みに加えて、2月中旬から今月上旬にかけての強風によってびわ湖の水が混合されたことで、全層循環に至ったと考えられるということです。
これについて三日月知事は「例年より遅れていたもののひとまず安心した。しかし、温暖化など長期的にみれば全層循環を妨げる事象が現れてきているので、引き続き危機感を持ってびわ湖の調査・研究をしていきたい」とコメントしています。