びわ湖の「全層循環」を一部で確認 表層の酸素含む水が湖底に

冬場にびわ湖の水が混ざり合い湖底に酸素が行き渡る「全層循環」という現象がことしも一部で確認され始めました。

“びわ湖の深呼吸”ともいわれる「全層循環」は、酸素を多く含んだ湖面近くの水が冬場の冷え込みで湖底の水と混ざり合って湖全体の酸素濃度がほぼ同じになる現象で、去年まで3年連続で確認されています。
県琵琶湖環境科学研究センターが今月5日、高島市今津町の沖合の水深90メートルの3つの地点で湖底近くの水に含まれる酸素濃度を調べたところ、このうち1地点で1リットルあたりおよそ10ミリグラムと、湖面付近とほぼ同じ値まで上昇していたということです。
これについて三日月知事は、「1地点で観測されたことをもって、全層循環が起こったということは言えないが、一部で確認された」と述べ、ことしも「全層循環」が一部で確認され始めたことを明らかにしました。
ただ、対象となる調査地点は7地点あり、今後の状況によっては「全層循環」と呼べない可能性もあるということで、県は、来月にかけて詳しく調査することにしています。